1. 非上場会社の経営権の承継には入念な準備をすることが不可欠です
近年、「社長」の高齢化が進み[*1] 、中小企業・同族会社の社長が交代する年齢の高齢化も顕著であるといわれています[*2] 。我が国の企業の9割以上は中小企業で、その多くが非上場の株式会社です。非上場株式会社の株主は経営者とその家族であることが多く、その経営権の承継においては、ビジネス及びオーナーシップの継承と共に、ファミリーの継承も含まれるところが特色です。近年は、親族内での経営権承継のみならず、従業員等の外部への承継やM&Aによる承継も増加しており、検討すべき事項はさらに増加しています。また、事業用資産や経営権をめぐる紛争が発生した場合、従業員や取引先等との関係悪化・信用失墜のおそれもあります。
そのため、非上場会社の経営権承継に当たっては、様々な利害関係を検討した上で、入念な準備をすることが不可欠です。

[*1]2015年1月29日付 帝国データバンク「全国社長分析」
社長の平均年齢は59.0歳で、1990年の54.0歳から5歳も上がった。
[*2]2013年6月26日付 帝国データバンク「事業承継を実施した中小企業の実態調査」
事業承継を実施した前経営者の年齢は、「65~70歳未満」が23.8%でトップ。60歳以上は78.0%、70歳以上だと30.8%。

2. 6割超の企業が経営権の承継の準備をしていない
しかしながら、平成25年7月11日付けの帝国データバンクの意識調査によると、経営権の承継を進めるための「計画はない」企業が30.0%、「計画はあるが、まだ進めていない」企業が32.4%と、6割超の企業が経営権の承継への取り組みを行っていません。経営権承継の重要性については認識しているが、いまだ準備をするまでに至っていないというのが我が国の非上場会社の現状と思われます。

3. 経営権承継の事前準備をしなかったことにより、悲劇的な事例が発生している
経営権承継の事前準備をしないまま、オーナー社長に相続が発生した場合、多くの場合、会社は根が深く、複雑な紛争や裁判に巻き込まれてしまいます。当事務所においても、近時、非上場会社の経営権や株式の評価を巡った紛争または裁判を受任することが多くなっています。特に、多くの内部留保がある非上場会社においては、株式の相続税評価がかなり高くなっている事例があり、このような会社の株式を何らの事前準備をせずに相続した少数派の株主において、相続税を支払うために、自宅不動産を売却することを検討せざるを得ないという悲劇的な事例が発生しています。

4. 当事務所は、非上場会社の経営権の承継に関する案件について豊富な経験を有しています
当事務所は、ビジネスローを広く扱う弁護士事務所として、株主総会指導、株価算定手続、会社支配権を巡る裁判手続に豊富な経験を有しており、非上場会社の経営権の承継に伴い発生する全ての法律問題について、会社側及び相続人側のいずれにおいても適切かつ迅速に対処することができます。実際にも、当事務所は、非上場会社の経営権の承継に当たり、現経営陣とともに事前準備を行ったり、準備が十分でない間に相続が発生した事案についても、会社側や相続人側を代理して適切に事件を解決した経験を多く有しております。
非上場会社の経営権の承継について、お困りの際は、安心してご相談いただければと存じます。

 

過去の取扱案件

【事例1】
倉庫業・ホテル業等を営む企業グループの代表者・設立者である亡父の長男であり、同グループの所有及び経営を全面的に承継していた依頼者は、同グループの取締役であった弟を取締役から解任する決議を契機として、弟から多数の訴訟を提起された。弟との訴訟は、長年にわたる争いの末、最高裁まで争われたが、最終的には依頼者が同グループの所有及び経営を全面的に承継した事実が認定され、全面勝訴により終結した。

【事例2】
某老舗非上場企業の当時の社長が専横的な経営下で自己に多くのストックオプションを発行し、当該ストックオプションが行使されると直ちに株主総会における議決権の過半数を握ることができてしまうという土壇場の状況下、当該企業の元社長であったクライアントは、当事務所の戦略的助言及び戦略的行動により、相手方招集の定時株主総会の場において、取締役会の過半数を掌握するだけの新任取締役を選任して経営権を奪還することに成功した。また、その定時株主総会後に相手方により申し立てられた商事仮処分においても、当事務所は、優位に手続を進行させて勝利的和解を勝ち取り、相手方の会社への影響力を完全に排除することに成功した。

【事例3】
某有名食品等製造販売業の創業家の有する株式についての議決権の信託譲渡を行うためのスキーム及びその問題点についての助言を行った。

【事例4】
大手工業計器等メーカーの亡創業者の娘およびその子ら(創業者の孫)が、創業者の長男から、一族の資産管理会社の株式が実質的に長男に帰属するものであるとの確認書へのサインを求められたことをきっかけに、亡創業者の財産の帰属争いや同社の清算に伴う諸問題への対応を依頼された。当事務所による戦略的な助言等の結果、最終的に依頼者の当初の認識に沿った株式持分どおりの利益が依頼者にもたらされた。

【事例5】
依頼者は、老人ホームを運営する会社の株式の一部を保有していたほか、当該老人ホームに物品の販売等を行う会社も保有していた。当該老人ホームが、その支配株主の意向を受けて、上記物品販売等を行う会社との取引を突如拒絶するなどした際に、依頼者は、当事務所の戦略的な助言等の結果、上記販売会社が老人ホームのために仕入れていた物品を当該老人ホームに引き取らせることができたほか、上記支配株主に対し、その保有する老人ホーム運営会社の株式を譲渡し、その対価等を得ることができた。

【事例6】
依頼者は、その父が創業した企業グループの一部の会社を承継するものとされ、当該会社の株式をその親会社から順次取得するための株式譲渡契約を当該親会社との間で締結した。その後、依頼者が当該契約に基づき株式を取得していたところ、依頼者の兄が、依頼者による承継を妨げようと企て、上記親会社をして、依頼者に対する株式の譲渡を拒否させた。これについて、依頼者は、当該親会社に対し、上記株式譲渡契約に基づく巨額の損害賠償を請求し、最高裁まで争った末にその支払を受けることができた。




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