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2024.06.28

モンテネグロ共和国(「外国の個人情報の保護に関する制度」調査)

執筆弁護士

牛島総合法律事務所「外国の個人情報の保護に関する制度」調査

PDFファイルはこちら

モンテネグロ共和国

2024年6月28日初版
牛島総合法律事務所 弁護士 辻 晃平

<元となった調査報告書の作成者>
調査日2024年5月10日
法律事務所Karanović & Partners
担当弁護士Goran Radosevic(パートナー)
連絡先goran.radosevic@karanovicpartners.com
調査報告書へのリンク英語(PDF)日本語仮訳(PDF)

個人情報の保護に関する制度の有無

包括的な法令として、以下の法令が存在する。

  • 個人情報保護法(「モンテネグロ共和国官報」第79/2008号、第70/2009号、第44/2012号、第22/2017号)
    • URL:https://www.gov.me/dokumenta/d65b84b4-14df-43e0-aeb2-aadf44149486 (モンテネグロ語版のみ)
    • 施行状況:2009年6月31日施行(最終改正は2017年4月11日に発効)
    • 対象機関:公的部門、民間部門
    • 対象情報:識別された、または識別可能な自然人(直接または間接的に、特に識別子、またはその自然人の身体的、生理的、精神的、経済的、文化的、社会的アイデンティティに固有の1つまたは複数の要素を参照して識別できる人)に関するあらゆる情報

個人情報の保護に関する制度についての指標となり得る情報

EUの十分性認定なし
APECのCBPRシステムなし

OECD プライバシーガイドライン8原則に対応する事業者等の義務又は本人の権利

OECDプライバシーガイドライン8原則に対応する事業者等の義務又は本人の権利については、以下のとおり。

(1) 収集制限の原則上記法令に規定されている。
(2) データ内容の原則上記法令に規定されている。
(3) 目的明確化の原則上記法令に規定されている。
(4) 利用制限の原則上記法令に規定されている。
(5) 安全保護の原則上記法令に規定されている。
(6) 公開の原則上記法令に規定されている。
(7) 個人参加の原則上記法令に規定されている。
(8) 責任の原則上記法令に規定されている。

その他本人の権利利益に重大な影響を及ぼす可能性のある制度

個人情報の域内保存義務に係る制度であって、本人の権利利益に重大な影響を及ぼす可能性のあるものモンテネグロの国家当局、組織、公的権限を委任されたその他の団体には、モンテネグロ共和国内に電子登録・記録(及び電子通信アカウント)を保管することを義務付けるデータローカライゼーション要件が適用されるが、民間企業には適用されない。
事業者に対し政府の情報収集活動への協力義務を課す制度であって、本人の権利利益に重大な影響を及ぼす可能性のあるもの-刑事訴訟法、電子通信法、国家安全保障機関に関する法律、競争法など、様々な法律において、当局が第三者(民間団体を含む)が保有する個人データにアクセ
スするための適切な根拠が定められている。具体的には以下のとおりである。
・刑事訴訟法は、モンテネグロの法執行当局(裁判所、検察官、警察)が私人から個人データの開示を取得または強制できる条件と手続を規定している。
・電子通信法は、法執行当局及び国家安全保障機関が電子通信事業者に対して、防衛及び国家安全保障の目的、ならびに犯罪行為の防止、犯罪加害者の捜査、摘発及び訴追、捜索・救助活動の支援、人命及び健康、財産の保護の目的で、電子通信に関するデータの提供又はアクセスを要求することを認めている。これに加え、当局は、上記の目的を達成するために必要であると判断した場合には、合法的に電子通信の傍受を行うことができる。
・国家安全保障機関は、その任務を遂行するにあたり、あらゆる国家機関、法人、個人から情報及び専門的な支援を求め、入手する権限を有しており、これには民間人から個人情報を入手することも含まれる。
・競争法は、モンテネグロの競争保護局による同法違反の調査方法について規定しており、特に、特定の事案に関与するすべての関係者に情報を要求する広範な権限が含まれる。
-上記法律は一般論として当局に広範な調査権限を与えるものではあるが、その条件として、目下の特定のケースを調査する際に従うべき厳格な実体的・手続的規則がある。加えて、上記法律には、各データ主体が(とりわけ)モンテネグロの個人情報保護・情報フリーアクセス局(Agency for Protection of Personal Data an Free Access to Information)及び管轄裁判所に訴えることにより、当局の活動の合法性に異議を唱えてその権利を保護する権限など、当局の活動に対する何重もの監視・管理の仕組みが導入されている。また、法的秘匿特権によって弁護士と依頼人との間のコミュニケーションは保護される。

 

当事務所は、調査結果の正確性や妥当性について責任を負いませんので、調査結果のご利用は自らのご判断で行っていただきますようお願い申し上げます。

牛島総合法律事務所による「外国の個人情報の保護に関する制度」の調査結果は以下に掲載しております。https://ushijima-law.gr.jp/topics/foreign_pi_legislation/