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2021.09.05

環境問題(ESG・サステナビリティ)に関するコーポレートガバナンスコードの改訂と開示の実務対応

執筆弁護士

本ニューズレターは、2021年9月5日時点までに入手した情報に基づいて執筆したものであり、また具体的な案件についての法的助言を行うものではないことに留意してください。また、本ニューズレター中意見にわたる部分は、執筆担当者個人の見解を示すにとどまり、当事務所の見解ではありません。

1. コーポレートガバナンス・コードの改訂

(1) CGコードの改訂内容

2021年6月11日、東京証券取引所は「コーポレートガバナンス・コード」(以下、「CG コード」という。)を改訂した[1]

今回のコード改訂では、16原則について変更・新設が行われたが、3つの原則及び8つの補充原則が変更され、5つの補充原則が新設された。

今回の改訂は、サステナビリティに関する内容を大幅に補充するものとなっており、様々な規定が盛り込まれた。

2021年6月11日に公表された改訂CGコード は、ESGをはじめとするサステナビリティ(従来気候変動をはじめとする「E(環境)」を中心として議論されてきた)が「重要な経営課題である」ということ、「サステナビリティ課題への積極的・能動的な対応を一層進めていくことが重要である」という考え方が示された(基本原則2、補充原則2-3①、3-1③、4-2②参照)。

【基本原則2 考え方】

(前略)「持続可能な開発目標」(SDGs)が国連サミットで採択され、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同機関数が増加するなど、中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビリティ(ESG 要素を含む中長期的な持続可能性)が重要な経営課題であるとの意識が高まっている。こうした中、我が国企業においては、サステナビリティ課題への積極的・能動的な対応を一層進めていくことが重要である。(後略)

【補充原則2-3

取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を深めるべきである。

【補充原則3-1

上場会社は、経営戦略の開示に当たって、自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示すべきである。また、人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供すべきである。特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきある。

【補充原則4-2

取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、自社のサステナビリティを巡る取組みについて基本的な方針を策定すべきである。また、人的資本・知的財産への投資等の重要性に鑑み、これらをはじめとする経営資源の配分、事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、企業の持続的な成長に資するよう、実効的に監督を行うべきである。

 (2) 取引市場と適用されるCGコードの原則

現在は、東京証券取引所上場会社では、JASDAQとマザーズ上場会社はCGコードの基本原則のみが適用され、一部、二部上場会社は、補充原則を含む全原則が適用されている。

今回のCGコードの改訂では、東京証券取引所の市場再編を前提としており、グロース市場上場会社は基本原則のみが適用され、プライム市場、スタンダード市場上場会社は全原則が適用される。
【東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コードの改訂に伴う実務対応」[2]

もっとも、グロース市場上場会社は基本原則のみがコンプライ・オア・エクスプレインの対象となるが、株主構成、企業規模、企業の成長ステージなどの各社の状況に応じて、補充原則に沿う自主的な取組を行い、ガバナンスの向上に努めることが望ましいとされている(パブコメ回答[3]No.36等)。

(3) CGコード改訂内容の適用時期

今回のCGコード改訂に基づき、上場会社は2021年12月末までに各原則へのコンプライ・オア・エクスプレインの状況を、CG 報告書に記載の上で提出しなければならないとされている。ただし、プライム上場会社に向けた規定(TCFD[4]等に基づく気候変動に関する情報開示の充実等)に関しては、市場再編日の2022年4月4日以降に開催する定時株主総会の終了後、遅滞なく、コンプライ・オア・エクスプレインの状況を、CG 報告書で提出することが求められる。

2021年12月末までに対応すべき通常の原則については、改訂CG コードの施行日以降、定時株主総会終了後の時点において、改訂CGコードに基づき更新を行うことができるとされている(パブコメ回答No.49)。

2. ESG・サステナビリティに関する改訂CGコードの原則と実務対応

(1) 取締役会による対応

改訂CGコードでは、基本原則2「考え方」において、サステナビリティの内容として、「ESG要素を含む中長期的な持続可能性」という説明が加えられた[5]

従来から、CGコード原則2–3において「上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、適切な対応を行うべきである」と記載されていたが、改訂CGコード補充原則2–3①では、「取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、(略)自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、(略)中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を深めるべきである。」と改められ、その実施主体として取締役会が明示された。

なお、サステナビリティの要素については、CGコードに具体的に例示されているものに限られるものではないとされていることには留意が必要である(パブコメ回答No.303)。

(2) 監督・執行体制の整備

改訂CGコードを踏まえた企業の監督体制としては、サステナビリティ担当の取締役の選任サステナビリティ委員会の設置などがあり得る(パブコメ回答No.126参照)。

また、取締役が適切な監督を行うためには、担当取締役に専門的な知識や経験を有する独立社外取締役を選任することや(パブコメ回答No.350)、ESGに関する指標と連動する役員報酬を導入することも指摘されている。

–  特定の専門分野に限定した担当取締役を推奨することはしておりませんが、各社において、各社の事業を取り巻く環境等を鑑み、サステナビリティを担当する取締役を選任することも考えられるものと考えます。(パブコメNo.126)

–  サステナビリティに関する取組みを全社的に検討・推進するための枠組みについては様々なものが考えられ得るところでありますが、その整備の例として「取締役会の下または経営陣の側に、サステナビリティに関する委員会を設置」することを記載しております。(パブコメNo.126)

–  特定の専門分野に限定した担当取締役の推奨や特定分野の教育を推奨することはしておりませんが、各社において、各社の事業を取り巻く環境等を鑑み、経営戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル等を確保するべく、研修等を実施する事も有益と考えます。(パブコメNo.350)

–  内部監査部門の活用といった事項も含め、各社において、各社の状況に応じて適切な枠組みが何かをご判断いただいた上で構築いただくものとなります。(パブコメNo.351)

具体的には、独立社外取締役を委員とするサステナビリティ委員会を設置することなどが考えられる。すでにCSR委員会等が存在する企業においては、これを改組することも多いように思われる。専門的な知識や経験を有する独立社外取締役のほか、サステナビリティに関する最新動向や専門的な知見を有する外部有識者が、委員候補として挙げられる。

組織上の位置づけとしては、取締役会の諮問機関等とする方法や業務執行機関の一部門とする方法が考えられる[6]。経営陣の側に位置付ける場合には、取締役会への報告等を通じて監督の対象とすることが重要となる。

この点については、「投資家と企業の対話ガイドライン」1-3においても、「取締役会の下または経営陣の側に、サステナビリティに関する委員会を設置する」ことなどが指摘されている。

ESG・サステナビリティの取組みに関する情報開示に向けた取締役会による実践プロセスについては、後記3(1)で説明する。

(3) 基本方針・取組方針の策定

取締役会がESG・サステナビリティに関する取組みを一貫した立場で行うためには、企業の経営理念や行動準則に、サステナビリティの要素が組み込まれていることが重要である。そのため、自社の企業理念や行動準則、その他企業行動憲章、行動規範等に、サステナビリティの要素を規定すること(関連規程の改訂)が検討される。

取締役会は、「中長期的な企業価値の向上の観点から、自社のサステナビリティを巡る取組みについて基本的な方針を策定すべき」とされ、また、企業の持続的な成長に資するように実効的な監督を行うべきであるとされている(補充原則4–2②)。

(4) 検討チームの編成と活動開始

ESG・サステナビリティへの取組みについて、初期の段階で中心的な役割を果たすのは、CSR等の部署になることが多いと思われるが、経営陣の強いリーダーシップが求められる。自社の事業ないしは企業全体の持続可能性を議論することから、早い段階で事業部門やIR部門等もメンバーとして、他の部署と連携するためのチーム編成が必要となる。

自社におけるサステナビリティ課題及び対応に関する現状認識を整理したうえで、TCFD コンソーシアム「気候関連財務情報開示に関するガイダンス 2.0」等を参照し、自社の所属する業界のサステナビリティ課題を踏まえて今後の取り組み、見直しを検討していくことになる。

法務・コンプライアンス部門は、ESG・サステナビリティもコンプライアンスの問題であることを認識し、関連するコンプライアンス規程の整備等を行うことが求められる。

3. ESG・サステナビリティ情報開示への実務対応

(1) 開示枠組み

上場会社はサステナビリティへの取組みを開示することが求められるが(補充原則3-1③)、投資家その他の関係者が取組目標とその進捗が分かるような開示をすることが求められる(パブコメNo.305)。

補充原則3-1③においても、「人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供すべき」ことが規定されている。

ここで、経営戦略や経営課題との整合性に重点が置かれているように、ESG・サステナビリティの取組みに関する情報開示を行う前提として、取締役会を主体として、以下のようなプロセスの実践を検討することになる。

①     体制の整備

②     課題の特定、重要度(マテリアリティ)の評価

③     重要課題についての経営戦略・計画の策定・実施

④     実施状況のモニタリング(監督)

⑤   プロセスの開示

かかるプロセスの実践は、「取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、(略)、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を深めるべきである」とする補充原則2-3①の一内容にもなる。

なお、開示に関しては、多くの解説文書やガイダンスが公表されている。

①     2017年5月29日「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス ─ ESG・非財務情報と無形資産投資

②     2018年12月25日「気候関連財務情報開示に関するガイダンスTCFDガイダンス)
※ 上記①に関し気候変動に特化した各論

③     2020年7月31日「気候関連財務情報開示に関するガイダンス2.0」(TCFDガイダンス2.0)

④     2021年3月「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイドVer3.0」(シナリオ分析実践ガイド3.0)

(2) 開示媒体等

情報開示の方法については、①開示事項の内容をコーポレート・ガバナンス報告書(CG 報告書)に記載する方法や、②有価証券報告書、ウェブサイト等で開示を行い、CG 報告書でそれを引用する方法が考えられる(パブコメNo.323、「コーポレート・ガバナンスに関する報告書 記載要領(2021 年 6 月改訂版)」I- 1.(2))。実際にも、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく開示(後述)について、サステナビリティ報告書、ウェブサイト、TCFD レポートに記載している例が見受けられることが指摘されている。なお、開示内容に変更があった場合は、再度CG報告書の提出が求められることになる。

この点については、ESG等の非財務情報に関しては、2020年3月期の有価証券報告書から、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「事業等のリスク」、「経営者による経営状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析」の開示の充実が求められるようになり、実際に開示がなされている例も増えている。

ESGの中で、ガバナンス(G)の要素は、有価証券報告書の「コーポレートガバナンスの状況等」やCG報告書等において役員構成や役員報酬等の記載項目が掲げられていることから、これらの枠組みの中で記載を行うことが考えられるが、これに対して、環境問題(E)や社会問題(S)の要素については、有価証券報告書に明示的な記載項目はないため、サステナビリティ報告書などに記載する方法によることが指摘されている。

もっとも、ESG等の非財務情報が発行体の事業や業績に重要な影響を与える場合には、有価証券報告書において開示が求められることがあることには留意すべきである[7](有価証券報告書に概要を記載し、詳細はサステナビリティ報告書等に記載することも検討される。)。

なお、ESG評価機関の多くは開示情報に基づきESG施策を評価するため、対外的に積極的な開示(英語による情報開示も含む)が重要となると考えられる。

(3) 気候変動対応に関する情報開示(TCFD提言に基づく開示)

プライム市場上場会社については、特に気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響を、TCFD 等または同等の枠組みに基づいて開示の質・量の充実させることが求められている。

【補充原則3-1】(再掲)

上場会社は、経営戦略の開示に当たって、自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示すべきである。また、人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供すべきである。特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきである。

ここで、サステナビリティ全般への取組みについては、「開示・提供すべき」と表現されている一方、気候変動のリスク等については、「開示の質と量の充実を進めるべき」と表現して、充実した開示を行うことが求められている(パブコメNo.319、No.323参照)。

TCFD提言では、気候変動によるリスク(低炭素経済への移行、気候変動による物理的影響によるリスク)と収益機会を特定したうえで、これらを経営戦略やリスク管理に反映させた結果が企業に及ぼす財務的影響を評価・開示することを求めている(11の項目の情報開示を推奨)。なお、サステナビリティへの取組みで重要なのは、単なるリスクへの対応のみではなく、収益機会の発見も含まれるということである。

TCFD提言の項目ごとに開示を行う場合には、各項目において推奨される開示内容を踏まえつつ、気候に関連するリスクと収益機会の考え方(シナリオ分析の内容についても)に基づいてできる限り具体的な説明を行うことが検討される。かかる説明内容については企業ごとの個別性が高いが、自社の分析・検討を十分に行った上で、他社の開示内容も踏まえながら開示内容を慎重に検討していくことになる。

–  温室効果ガスの排出量の長期削減目標や削減実績

–  汚染水使用量の削減目標や削減実績

–  プラスチック素材の削減目標や削減実績

–  異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰、工場操業停止のリスク

–  環境関連規制の強化、低炭素活動・非有害素材利用等の要請によるリスク

また、プライム市場上場会社以外も、その重要性に鑑みれば、TCFD 等に基づく気候変動に関する情報の開示に向けた取組みを行うことが望ましいとされていることから積極的な開示を検討すべきである(パブコメ回答No.333等)。

4. 改訂CGコードへの対応・情報開示が不十分な場合のリスク
株価に影響を与える蓋然性のある情報や、投資家の投資判断等に影響を与える重要な情報などについて、情報開示の内容が不正確・不適切であった場合や重要な情報を開示しなかった場合には、虚偽の情報開示を行ったとして、役員に対する損害賠償請求等がなされる可能性もある(民法709条、会社法429条、350条のほか、金融商品取引法を根拠とする)。

もっとも、将来目標等が結果的に達成できなかった場合や、開示後の事情の変化によって開示内容が実態にそぐわないことになった場合などにおいては、ただちに虚偽記載の責任を問われるものではないとされている[8]

また、改訂CGコードへの対応が不十分な場合には、株主からのエンゲージメントや株主提案を招くことにもなりうる。特に気候変動対応に関する情報開示については、機関投資家にとって重大な関心事項であり、実際にも気候変動関連をテーマとする株主提案がなされる例が見られるほか、機関投資家や資産運用会社が気候変動リスクについての情報開示を怠った企業について、当該企業の取締役に対して反対票を投じることを推奨することも想定される。

そのため、2022年の定時総会までにコンプライするための準備を進めるか、または、対外的なエクスプレインの内容をどのようにするかを慎重に検討する必要がある。

5. 参考資料

  • 日本証券取引所グループ「JPX ESG Knowledge Hub」
    《https://www.jpx.co.jp/corporate/sustainability/esgknowledgehub/index.html》
  • 日本証券取引所グループ「ESG情報開示実践ハンドブック」
    《https://www.jpx.co.jp/corporate/sustainability/esg-investment/handbook/index.html》
  • 金融庁「記述情報の開示の好事例集 2020」《https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20201106-3.html》
  • TCFD コンソーシアム「気候関連財務情報開示に関するガイダンス0」
    《https://tcfd-consortium.jp/pdf/news/20073103/TCFD%20Guidance%202.0.pdf》
  • 環境省「TCFD を活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析 実践ガイド~0」《http://www.env.go.jp/policy/policy/tcfd/TCFDguide_ver3_0_J_2.pdf》

以 上

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[1] 金融庁から、2021年6月に「投資家と企業の対話ガイドライン」の改訂版
《https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210611-1.html》が公表されており、CGコードの附属文書としてその趣旨を踏まえて対応することが求められる。

[2] https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/market-structure/nlsgeu000003pd3t-att/nlsgeu000005irmz.pdf

[3] 東京証券取引所「『フォローアップ会議の提言を踏まえたコーポレートガバナンス・コードの一部改訂に係る上場制度の整備について(市場区分の再編に係る第三次制度改正事項)』に寄せられたパブリック・ コメントの結果について」(以下「パブコメ回答」という。)
《https://www.jpx.co.jp/rules-participants/public-comment/detail/d1/nlsgeu000005hprf-att/nlsgeu000005lo50.pdf》

[4] TCFDとは、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース」(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の略称。2015年12月に金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び気候変動への金融機関の対応を検討するために設立された。2017年6月に、気候関連のリスク・機会・財務的影響を解説し、情報開示のあり方に関する提言(以下「TCFD提言」という。)を公表している《https://assets.bbhub.io/company/sites/60/2020/10/TCFD_Final_Report_Japanese.pdf》。

[5] 金融庁から、2021年6月に「サステナブルファイナンス有識者会議報告書」
《https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210618-2.html》が公表されており、サステナブルファイナンスを持続可能な経済社会システムを支えるインフラと位置付けた上で、投融資先の企業に関わる企業開示の充実等をテーマとして今後の施策の方向性を提示している。

[6] フォローアップ会議第24回金融庁「第24回事務局参考資料(ESG要素を含む中長期的な持続可能性(サステナビリティ)について)」9頁によると、JPX400の企業のうち、サステナビリティに関する委員会を設けている企業は55社であり、取締役会の直下に置かれているものは8社に留まる。

[7] 金融庁の2018年6月28日「ディスクロージャーワーキング・グループ報告 -資本市場における好循環の実現に向けて-」《https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20180628.html》において、「有価証券報告書では、・・・ガバナンスや社会・環境問題に関する事項(いわゆるESG要素)が発行体の事業や業績に重要な影響を与える場合には、有価証券報告書の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、MD&A,事業等のリスクの項目において、それらの事項についての開示が求められる」としている。

[8] 「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)』 に対するパブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」No.16《https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20190131/01.pdf》