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2021.12.23

オンラインモールにおけるルール変更と優越的地位の濫用について-楽天市場についての公正取引員会の調査結果の公表-

 

1. 楽天に対する審査の終了について

2021年(令和3年)12月6日、公正取引委員会は、大手デジタル・プラットフォーム事業者である楽天グループ株式会社(以下「楽天」という。)に対する優越的地位の濫用に関する審査について、楽天による改善措置の実施を確認した上で終了することとした旨を公表した[1]。当該審査は、楽天のオンラインモール(楽天市場)における出店事業者の送料の表示等に関する施策(以下「本件施策」という。)についてのものである。なお、本件施策は、楽天市場において、送料込の値段と送料別の値段が混在することにより、ユーザーにとって分かりにくいものとなっていた価格表示を改善することなどを目的としたものであった。

 

(1) 公正取引委員会による緊急停止命令の申立について

本件施策に関しては、公正取引委員会が、2020年(令和2年)2月28日、楽天に対する緊急停止命令の申立てを東京地方裁判所に行っていた。これは、楽天が、楽天市場に関する規約を変更することによって、同年3月18日以降、本件施策を実施する旨、具体的には1店舗での税込3,980円(沖縄・離島については9,800円)以上の購入に対しては一律に「送料無料」と表示するものとする施策(すなわち、別途送料を加算しない施策)を実施する旨を楽天市場の出店事業者に対して通知[2]するなどしたことから、裁判所にその行為の一時停止を命じてもらうために申し立てられたものである。なお、本件施策は、上記の1店舗での税込3,980円(沖縄・離島については9,800円)以上の購入の際の代金額に送料を上乗せしておくことは可能であったが、地域によって異なる送料を徴収するために同一商品について価格を変えた複数登録(出品)することはできないなどとされていた。

この施策については、上記通知に先立つ2019年(令和元年)9月に、楽天による公正取引委員会に対する事前相談が行われたが、公正取引委員会は、楽天に対して、独禁法に違反するおそれがあると回答していた。また、2020年(令和2年)2月10日には、当該施策が優越的地位の濫用に違反する疑いがあるとして楽天に対する立入検査も行われた。楽天は、立入検査の3日後(同月13日)に、出店事業者が商品価格に送料を上乗せしやすい表現にするためとして、「送料無料」の表示を「送料込み」の表示に修正する考えを明らかにしたが、施策の内容に特段の変更はなかったようである[3]

上記緊急停止命令の申立ては、かかる経緯を経て行われたものであるが、その後、楽天が本件施策の一律導入を延期するとともに、当該施策に参加するか否かを出店事業者が判断できるものとしたことから、公正取引委員会は、2020年(令和2年)3月10日、当該緊急停止命令を取り下げたうえで、審査を継続するものとしていた[4]

 

(2) 緊急停止命令の申立取下後の審査について

公正取引委員会によれば、上記楽天による施策の延期・修正以降、楽天の営業担当者等が、上記施策に参加しない楽天市場の出店事業者の取扱商品が検索結果の上位に表示されなくなることや、次回の契約更新時に退店となることなどを示唆するなどしていた事例が認められたとのことである。また、このような行為等を受けて、当該施策に参加した出店事業者には、送料分を商品価格に上乗せできず利益が減少した者や、送料を上乗せしたものの客離れが生じて利益が減少した者などがみられたとのことであり、優越的地位の濫用の疑いある事実が認められたとのことであった。

これに対し、楽天が、上記施策への参加等についての出店事業者の意思を尊重することや当該施策に参加しない出店事業者の取扱商品を検索結果の上位に表示しないこと等を行わないなどといった楽天の方針を、その営業担当者等に周知徹底するとともに出店事業者に周知すること、また、かかる方針に違反する働きかけ等に対する処分規程を整備すること等の措置の実施を公正取引委員会に対して申し出たことから、公正取引委員会は、この措置の実施を確認した上で審査を終了することとしたとされている。

 

2. 優越的地位の濫用に関する規制の概要

優越的地位の濫用は、取引の相手方に対して優越的な地位にある事業者がその地位を利用して、取引の相手方に不当な不利益を課すことで取引上利益を得るといった行為を規制するものであり、以下の①ないし④を要件とするものである。典型的には、例えば、量販店等の大規模小売業者が納入業者に対して協賛金の提供や従業員の派遣をさせることなどが問題となる。

① 自己の取引上の地位が相手方に優越していること

② 不利益行為を行うこと

③ 不利益行為が(自己の取引上の地位を)利用して行われたこと

④ 正常な商慣習に照らして不当であること

 

優越的地位の濫用は、当該行為の相手方の自由かつ自主的な判断を阻害して自由競争の基盤を侵害するとともに、当該行為を行った事業者(優越的地位を濫用した事業者)がその競争者との関係において競争上有利となり、当該行為の相手方がその競争者との関係において競争上不利となるおそれを生じさせるものである。そのため、公正な競争を阻害するおそれがある行為として独占禁止法上規制されており、違反行為の取りやめ等を命じる排除措置命令や課徴金の納付を命じる課徴金納付命令の対象となる。なお、このうち課徴金納付命令により納付を命じられる課徴金の金額は、違反行為期間における相手方との間の売上額または購入額の合計額に対する1%に相当する金額とされている。優越的地位の濫用は、特定の相手方にとどまらず、同様の立場にある取引先一般に対して長期間に亘ってなされることが多いため、以下のとおり、課徴金の金額が極めて高額なものとなり易いものとなっている。

 

【優越的地位の濫用規制に係る課徴金額】

対象事業者 課徴金額
山陽マルナカ [5]
日本トイザらス 2億2218万円
エディオン 30億3228万円
ラルズ 12億8713万円
ダイレックス 11億9221万円

 

本件に関して公正取引委員会が申し立てた緊急停止命令は、違反行為の疑いにとどまる段階で、裁判所に対しその行為の一時停止を命じてもらうものである。公正取引委員会は、上記の楽天の施策について排除措置命令等を待っていては競争への悪影響を防ぐことができないと考えて、緊急停止命令の申立てをしたものである。

 

3. 本件施策の優越的地位の濫用への該当性

本件における楽天の施策は、最終的に出店事業者が任意に参加の是非を判断すべきものとされたが、当初は一律に導入する予定のものであった。それでは、そもそも本件施策を一律に導入することは、優越的地位の濫用にあたるものであったのだろうか。

この点については、公正取引委員会が2019年10月31日に公表した「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」が参考となる。

 

(1) 楽天に優越的地位があったか

上記の実態調査報告書は、デジタル・プラットフォーマーの優越的地位について「デジタル・プラットフォーマーは取引先に対して優越した地位に立つことがある。特に、市場において有力な地位にあるデジタル・プラットフォーマーは、多くの取引先に対して優越した地位に立ちやすいと考えられる」としている[6]。また、「両面市場であるデジタル・プラットフォームには間接ネットワーク効果[7]が働くため、利用事業者や消費者が集中しやすく、有力な地位にある運営事業者は、より多くの取引の相手方に対して優越した地位にあると認められる蓋然性が高い」ともしている[8]

優越的地位の有無は、相手方の取引依存度[9]や取引先変更の可能性等を考慮して判断されるものであるところ[10]、楽天市場は、主要なオンラインショッピングサービスの一つであり、大きなシェアを有している。そのため、楽天市場については、それに対する取引依存度が高く、取引先の変更可能性が乏しい事業者が少なくないように思われ、したがって、少なくない数の店舗との関係で楽天が優越的地位にあると認定される可能性が高いものと思われる。

 

(2) 楽天の行為は不利益行為[11]に該当するものであったか

上記の実態調査報告書は、優越的地位を有する運営事業者による、デジタル・プラットフォームに関する規約変更が優越的地位の濫用に当たるか否かについて、概要以下の要素などを検討するものとしている[12]

①規約変更によって利用事業者が被る不利益の内容

②規約を変更する合理的な理由の有無

③規約変更によって取引条件を改定する通知から実施までの期間

④デジタル・プラットフォームの利用を継続するために不利益を受け入れざるを得ない利用事業者の数

 

この点、報道等によれば、本件施策についての上記①から④は以下のとおりであったようである。

①出店事業者において、利用者による3,980円以上の購入についての送料にかかる表示(送料無料又は送料込み)を行うことに起因する不利益(送料分を商品価格に上乗せできずに利益が減少したり、送料を上乗せしたところ客離れが生じて利益が減少したりすることなどによる不利益[13]

②送料込みの値段と送料別の値段が混在し、ユーザーにとって分かりにくいものとなっていた楽天市場における価格表示の改善など

③本件施策は2019年7月から8月にかけて発表されていたところ、2019年12月に2020年3月18日から全店舗に適用する旨が出店事業者に通知された[14]

④楽天市場の利用を継続するために不利益を受け入れざるを得ない利用事業者の数は不明であるが、楽天市場における出店者数は2020年3月末時点で約5万店舗であった[15]。また、本件施策により影響を受ける注文は全体の8%とのことであった[16]

 

上記②からすれば、本件施策は、楽天市場のユーザー(消費者)の便宜を図るものである。それによって楽天市場の魅力が高まれば、消費者の利用が促進されて出店事業者にも利益が生じる可能性もある。この点、楽天は、本件施策に関する実証実験(ただし、その実施方法等の詳細は不明)を経て3,980円の金額を決めた旨[17]、及び本件施策によって店舗の売上高が15%増加した旨を説明している[18]

また、上記③の通知から実施までの期間は、楽天と出店事業者との関係が継続的契約関係にあることからすれば、少々短いように思われるが、楽天は、2019年7月から8月にかけて本件施策を発表するなどしていたほか、本件施策を実施する1年前からその導入を出店事業者に伝えてきたとのことである[19]

 

しかしながら、上記④のとおり、楽天市場における出店者数は2020年3月末時点で約5万店舗であった。このうち、どれだけの事業者が本件施策の影響を被るかは明らかではないが、本件施策により影響を受ける注文[20]は全体の8%とのことであるから、一律導入ということであれば、相当数の出店事業者が影響を受けることは避けられない。

この点に関しては、当然のことながら、影響を受ける出店事業者がどの程度の不利益を被るかも問題となる(もっとも、その詳細は不明である。)。楽天は、退店したい事業者に対して出店料を返金したり、本件施策を導入した

 

店舗に一定期間送料を補助する支援金を出したりしていたようでもある[21]。そのため、本件施策については、理解を示す出店事業者も多かったとされている。しかし、これらの支援策は楽天市場での事業継続を希望する出店事業者との関係では、期間が限られた限定的なものにとどまる。また、仮に上述の実証実験で得られた結果のように売上高が15%増加する可能性があるとしても、かかる可能性は全店舗において実現するといった普遍的なものではないと思われ、また、一定程度の売上高の増加があっても、送料分を商品価格に上乗せできない結果として追加のコストを強いられるなどして、かえって利益が減少する相当数の出店事業者が生じる可能性もあるように思われる[22]

そのため、詳細が不明であることから明確なことはいい難いものの、本件施策が一律に導入された場合には、影響を受ける出店事業者が膨大であることもあり、相当数の出店事業者に不利益を与える不利益行為であったと評価される可能性は相当程度あるといわざるを得ないように思われる。

 

(3) 本件施策を一律に導入した場合に優越的地位の濫用となったか

優越的地位の濫用にかかる実務においては、優越的地位にある者が、相手方に対して不利益行為を行えば、通常、「不利益行為が(自己の取引上の地位を)利用して行われた」と解されている[23]。また、多数の取引の相手方に対し組織的に不利益を与える場合は「商慣習に照らして不当」に行われたものと認められやすいとも解されている。そうすると、楽天に優越的地位が認められる可能性が高く、また、本件施策が一律に導入することが不利益行為に該当する可能性が相当程度認められる本件においては、本件施策が一律に導入されていた場合、優越的地位の濫用にあたるものと評価された可能性が相当程度あったと思われる。

 

4. その他の考察

優越的地位の濫用に関する実務において、その予防に関しては不利益行為をさせないことが極めて重要となる。しかし、不利益行為として典型的な行為以外の行為が問題となる場合、当該行為が不利益行為であるか否かの判断は必ずしも容易ではない。

楽天も、本件施策の一律導入にあたっては、上記のとおり実証実験を行うことでその影響を検討していたほか、支援金を支給することで出店事業者に生じる不利益を軽減するなどしているのであって、優越的地位の濫用とならないよう検討していた。それにもかかわらず、当該施策は、公正取引委員会の事前相談において違反のおそれを指摘されたほか、それを理由として立入検査を受けるに至っている。優越的地位の濫用規制に関する検討・判断が難しいことの表れである[24]

いずれにしても優越的地位の濫用を予防するためには、不利益行為と評価される行為を防ぐ必要があるのであって、そのためには、自らの事業活動において生じ得る濫用行為の洗い出しと、それを踏まえたコンプライアンス・マニュアルの策定や関係する社員の教育等を行う必要がある。その際には、本件に関して「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」を参照したように、公正取引委員会が公表する実態調査報告書などを通じた不断のアップデートを行い、最新の実務の動向等に基づいた検討等を行うことが必須である。

以 上

 

[1] 令和3年12月6日付け公正取引委員会「楽天グループ株式会社に対する独占禁止法違反被疑事件の処理について」

[2] 当該通知は、2019年12月になされている。

[3] 購入金額が一定額以上の場合に出店事業者が別途送料を請求することができなくなるという意味で、「送料無料」も「送料込み」も実質的に同一のものと考えられる。

[4] 緊急停止命令の申し立ての取下げについて、公正取引委員会の山田弘審査局長は、「出店者が参加するか否かを自らの判断で選択できるようになるのであれば、当面は一時停止を求める緊急性が薄れると判断した」と述べている。

なお、楽天市場の出店事業者がつくった楽天ユニオンは、公正取引委員会による取下げの発表に先立って記者会見を行い、本件施策に参加しない出店事業者が除外申請や送料の設定などの手続をしなければならないことや、本件施策に参加しない出店者が差別的な取扱いを受ける可能性を指摘したが、公正取引委員会は、「申請や送料の設定は、それほど大きな手間ではない」(稲熊克紀第二審査長)としたうえで、変更後の仕組みを調査した結果、差別的な取扱いなど独占禁止法違反が認められれば、楽天に対して「排除措置命令」を出す可能性もあるとした(2020年3月10日付けSankeiBiz「公取委、楽天への緊急停止命令申し立てを取り下げ」)。

[5] 山陽マルナカに対しては、平成23年6月22日に公正取引委員会から2億2216万円の課徴金納付命令がなされていた(ただし、その後の審決(平成31年2月20日)により課徴金額は1億7839万円に減額されていた。)。しかし、同社に対する課徴金納付命令は、審決取消請求訴訟(令和2年12月11日)及びその後の審決(令和3年1月29日)において取り消されるに至っている。

[6] 2019年10月31日付け公正取引委員会「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」7頁

[7] 多面市場(例えば、楽天市場であれば、出店者の市場と消費者の市場がある。)において、一方の市場におけるサービスの利用者が増えれば増えるほど、他方の市場におけるサービスの効用が高まる効果をいう。

[8] 2019年10月31日付け公正取引委員会「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」22頁

[9] 商品又は役務を供給する取引にあっては、事業者(A)の相手方(B)に対する売上高を当該事業者(A)全体の売上高で除して算出したものをいう(平成22年11月30日付け(平成29年6月16日改正)公正取引委員会「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」第2.2(1))。

[10] 平成22年11月30日付け(平成29年6月16日改正)公正取引委員会「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」第2.2参照。過去の審決等によれば、取引依存度10%以上、または取引依存度の順位10位以内であることなどが優越的地位を認定する目安になっている。

[11] 典型的なものとしては、平成22年11月30日付け(平成29年6月16日改正)公正取引委員会「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」第4に記載される各行為(購入・利用強制、従業員等の派遣の要請など)が挙げられる。

[12] 2019年10月31日付け公正取引委員会「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」30頁

[13] 令和3年12月6日付け公正取引委員会「楽天グループ株式会社に対する独占禁止法違反被疑事件の処理について」記載3(1)イ参照。なお、これら不利益は、楽天の営業担当者等が、出店事業者に対して、本件施策への参加を余儀なくしたことにより生じた出店事業者の不利益として指摘されるものであるが、本件施策が一律に導入される場合においても同様に生じる不利益と解される。

[14] 楽天は、昨年9月に当該措置の導入について公正取引委員会に事前相談を行い、公正取引委員会から、独禁法に違反するおそれがあるとの回答を受けていたとのことである。

[15] 2020年8月27日付け瀧川正実「新型コロナでECビジネスを始める企業が急増。『楽天市場』は出店者数が5万店を突破」

[16] 2020年2月14日付けIT media ビジネス「楽天、『送料無料問題』で方針転換?それでも強気『公取は分かっていない』『影響あるのは8%』」

[17] 楽天によれば、ユーザーの購入金額を押し上げる効果が十分に得られた価格が3,980円であったため、本件施策の金額を3,980円にしたとのことである。

[18] 楽天によれば、本件施策を導入した店舗は、未導入の店舗に比して25ポイント高い成長率を記録しているとのことであった(2021年9月2日付け熊谷紗希「楽天市場『送料無料化』導入店舗は90%超に 三木谷社長は『絶対伸びる』と自信満々・・・店舗の本音は?」)。

[19] 2020年3月18日付け竹内謙礼「なぜ楽天の『送料込みライン』はこじれたのか? 元出店者が語る競争環境の変化、出店者の意識、打開策」)。

[20] 例えば、本件施策の導入以前は全ての商品についてその購入額を送料別途として表示していた事業者が、本件施策の導入後に3,980円以上の購入額となる注文を受けた場合や、本件施策の導入以前は購入金額が5,000円以上となる場合に送料無料とし、5,000円未満となる場合には別途送料を請求するものとしていた事業者が、本件施策の導入後に3,980円以上5,000円未満の注文を受けた場合の注文などが本件施策の導入による影響を受けることとなる。

[21] 2020年3月18日付け竹内謙礼「なぜ楽天の『送料込みライン』はこじれたのか? 元出店者が語る競争環境の変化、出店者の意識、打開策」)。2020年3月25日付け坂本悟史「2020/03/25『楽天3980ライン』出店者の何%が参加?開始後どうなった?検証レポート」

[22] 令和3年12月6日付け公正取引委員会「楽天グループ株式会社に対する独占禁止法違反被疑事件の処理について」記載3(1)イ参照。

[23] 平成22年11月30日付け(平成29年6月16日改正)公正取引委員会「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」第2.3

[24] 優越的地位の濫用規制に関する判断が難しいことについては、拙稿「優越的地位の濫用に関するアマゾンジャパンの確約計画の認定について」をご参照いただきたい。