〒100-6114
東京都千代田区永田町2丁目11番1号
山王パークタワー12階(お客さま受付)・14階
東京メトロ 銀座線:溜池山王駅 7番出口(地下直結)
東京メトロ 南北線:溜池山王駅 7番出口(地下直結)
東京メトロ 千代田線:国会議事堂前駅 5番出口 徒歩3分
東京メトロ 丸の内線:国会議事堂前駅 5番出口
徒歩10分(千代田線ホーム経由)
セミナー
事務所概要・アクセス
事務所概要・アクセス
<目次>
1. はじめに
2. 国土交通省のこれまでの見解
3. 本通達が示した国土交通省の現在の見解
4.おわりに
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)の収集運搬許可を有する業者(一般廃棄物収集運搬業者・産業廃棄物収集運搬業者)が廃棄物の運搬をする際に、貨物自動車運送事業法の一般貨物自動車運送事業の許可が必要かどうかについては、実務上の取扱いが必ずしも明確ではありませんでした。
国土交通省は、令和8年3月16日の通達(事務連絡国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長「貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて」(以下「本通達」といいます。))により、廃棄物の運搬を行っている業者が廃棄物の収集又は処分と不可分一体として運搬を行っていれば貨物自動車運送事業法上の許可は不要となることがあるとの考え方を示しました。
本通達により、国土交通省がこれまで示してきた考え方よりも、貨物自動車運送事業法上の許可が不要となる範囲が広がったものとも考えられます。本記事では、このトピックについて解説します。
貨物自動車運送事業法上の許可が必要となる一般貨物自動車運送事業は、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業とされています(貨物自動車運送事業法3条・2条2項)。
国土交通省は、その例外として、「当該運送行為が自己の生業と密接不可分でありその業務に付帯して行われる場合は、当該運送行為が主要業務の過程に包摂しているものと認められ、貨物自動車運送事業法上の許可等を要しない」と解釈しています(平成15年8月12日国土交通省自動車交通局貨物課長「法令適用事前確認手続 回答書」)。
具体的には、廃棄物の運搬については、「事業者が他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して専ら廃棄物の収集・運搬行為を行っている場合には、貨物自動車運送事業法第3条の適用対象となりうる。一方で、廃棄物処理事業者が自ら処理施設を保有し処理まで行うものであり、当該運送行為が廃棄物処理業の一環として密接不可分で、その業務の過程に包摂され、独立性を有しない場合には、貨物自動車運送事業法第3条の適用対象とならないと考えられる。」との見解を示していました(令和7年8月8日国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長「法令適用事前確認手続 回答書」。平成15年8月12日国土交通省自動車交通局貨物課長「法令適用事前確認手続 回答書」も同旨。)。
つまり、国土交通省は、廃棄物の運搬を行っている業者が自ら処理施設を保有し廃棄物の処理まで行う場合に限り、運送行為が自己の生業と密接不可分でありその業務に付帯して行われるものとして、貨物自動車運送事業法上の許可は不要となるとの考え方を示していました。
本通達においても、「他人の需要に応じて運送を行う場合であっても、自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行う場合」には、貨物自動車運送事業法上の許可等を要しないという枠組みは維持されています(本通達においても、従前の取扱いを変更するものではない旨が説明されています。)。
しかし、本通達は、廃棄物の運搬について、「廃棄物処理業者が、発注者である市町村や排出事業者と締結した包括的な委託等契約に基づき、廃棄物の運搬と、その他の廃棄物の処理(収集又は処分)を一体的に実施する場合において、当該委託等契約に基づく業務の一環として行われる運搬行為については、自己の生業である廃棄物処理業務と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる運送であるため、法の許可等を要しないものと解されます」との見解を示しました。
つまり、廃棄物の運搬を行っている業者が発注者との包括的な委任等契約に基づき、運搬と一体的に廃棄物の収集を行っている場合には、自ら処理施設を保有し廃棄物の処理まで行う場合でなかったとしても、貨物自動車運送事業法上の許可が不要である余地があることが明らかになりました。本通達により、これまでよりも貨物自動車運送事業法上の許可が不要な範囲が広がったものとも考えられます。
以上のとおり、本通達により、廃棄物の収集運搬委託において、実務において大きな議論があった点に対する一つの考え方が示されました。
なお、本通達においては、運送にあたって、収集又は処分を伴わない廃棄物の運搬行為のみを行う場合には法の許可等が必要となることに留意するように注意喚起がなされています。また、上記要件を満たす場合であっても、自己の生業と密接不可分かどうか、その業務に付帯して行われる運送であるかどうかなどの一般的な要件を満たすかについて別途問題になることがありますので、注意が必要となります。
このように国の法令や条令の他、通達や通知等により運用が変わることは頻繁にありますので、十分に留意することが必要です。
本ニューズレターは、掲載時点までに入手した情報に基づいて執筆したものであり、また具体的な案件についての法的助言を行うものではないことにご留意ください。また、本ニューズレター中意見にわたる部分は、執筆担当者ら個人の見解を示すにとどまり、当事務所の見解ではありません。
以 上