【講義概要】

近時、ランサムウェアや標的型攻撃が猛威を振るい、多くの企業が被害に遭っています。一方で、他社の営業秘密を転職先に持ち込んだことによる刑事事件なども社会問題化しており、社内の情報管理体制の見直し・強化を行うことが企業の最重要課題のひとつとなっています。しかし、その対応が法律や最新のガイドラインに沿ったものでなければ、大きな責任を負ったり不利益を被ったりすることにもなりかねません。本セミナーでは、法律の基本的な概念からガイドライン等の最新情報を解説し、営業秘密・個人情報を安全に保護・管理するために必要な実務の要点を具体的にお伝えいたします。自社および委託先の情報管理体制の見直し・再構築に最適の内容です。

【講師】　
牛島総合法律事務所 小坂 光矢 弁護士

講義内容

1. 情報管理を巡る近時の危機的状況
   （1）内部不正：退職予定者等による秘密情報の不正な持ち出し
   （2）外部からの攻撃：ランサムウェアや標的型攻撃などのサイバー攻撃
   （3）人的ミス：クラウドの設定不備や誤送信、生成AIの不適切利用等による漏洩
   （4）他社からの持ち込み：転職者による前職企業の営業秘密の持ち込み
2. 保護すべき情報資産と関連する法律・ガイドライン
   （1）情報資産の種類
   （2）関連するガイドラインと法的義務との関係
3. 企業における情報管理の実務（総論）
   （1）社内規程の整備と周知徹底（※ 社内規程のサンプルあり）
   （2）個人情報保護法等に基づく安全管理措置の実装
   　・組織的、人的、物理的、技術的安全管理措置
   　・外的環境の把握（外国のクラウドサーバへの保管等）
   （3）インシデント発生に備えた体制の整備
4. ケース１：内部不正・不正持ち出しに関する実務対応
   （1）事前の備え
   　・不正競争防止法における営業秘密の保護
   　・秘密情報の管理体制の構築
   　・従業員のモニタリング
   （2）従業員の退職時の措置
   （3）有事対応
5. ケース２：サイバー攻撃に関する実務対応
   （1）事前の備え
   　・サイバーセキュリティリスク管理体制の構築
   　・サプライチェーンにおけるセキュリティ対策（※ 委託契約のサンプルあり）
   （2）有事対応
6. ケース３：人的ミス・生成AIの不適切利用に関する実務対応
   （1）事前の備え
   　・ミスを防止するための対策の実装方法
   　・生成AIの利用に関する社内規程（※ 社内規程のサンプルあり）
   （2）有事対応
7. ケース４：他社からの持ち込みに関する実務対応　
   （1）事前の備え
   （2）転職者の受入時・受入後の措置
   （3）有事対応