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特集記事
Special Topics

2025.04.21

投資助言業登録が必要となるか否かの判断と行政対応の留意点

<目次>
1. 提供する投資関連情報の内容について
(1) 投資助言業規制の概要(金商法28条3項、2条8項11号等)
(2) 投資助言業に該当するかどうかの判断基準
(3) 実務上の留意点
2. 投資関連情報の提供方法について
(1) 投資助言業に該当するかどうかの判断基準
(2) 実務上の留意点
3. 投資助言・代理業登録に求められる体制整備
4. 無登録で営業した場合の罰則
  • 近時、金融庁は、無登録での投資助言業ビジネスの取締りを強化する動きが見られており、無登録業者に対する緊急差し止め命令がなされた例も出てきているほか(※1)、逮捕事例も出てきている(※2)。また、無登録で金融商品取引業を行っているとして金融庁(財務局)が警告書の発出を行った事業者は公表されることから(※3)、特に慎重な対応が必要となる。
  • 本特集記事は、現時点までに入手した情報に基づいて執筆したものであり、また具体的な案件についての法的助言を行うものではないことに留意いただきたい。また、本特集記事中意見にわたる部分は、執筆担当者ら個人の見解を示すにとどまり、当事務所の見解ではない。
  • なお、投資助言業登録に限定して説明を行うものであって、その他の規制も含めて網羅的に解説するものではないことにも留意いただきたい。

※1: 2021年12月8日・日本経済新聞オンライン『投資助言業者に業務停止命令 東京地裁』、2021年9月17日・日本経済新聞オンライン『無登録でFX取引の出資募る 監視委が業務禁止申し立て』、2022年6月29日・日本経済新聞オンライン『無登録で16億円集金か、監視委が業務停止申し立て』、2024年6月25日・日本経済新聞オンライン『2万人に無登録で投資勧誘 監視委、地裁に禁止申し立て』等
※2: 2024年2月21日・日本経済新聞オンライン『無登録で海外投資勧誘疑い 1350億円集金か、4人逮捕』、2024年11月7日・日本経済新聞オンライン『無登録で投資勧誘疑い、会社幹部ら逮捕 2.7億円集金か』等
※3: 金融庁ウェブサイト『無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について』、関東財務局ウェブサイト『無登録で金融商品取引業等を行っている者に対する警告

1. 提供する投資関連情報の内容について

(1) 投資助言業規制の概要(金商法28条3項、2条8項11号等)

  • 金融商品取引法(以下「金商法」という。)28条3項によると、「有価証券の価値等」(金商法2条8項11号イ)、または、「金融商品の価値等の分析に基づく投資判断」(金商法2条8項11号ロ)に関して、口頭、文書(新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く)その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うことを業として行うことは、「投資助言・代理業」に該当するとされている。
  • 申請してから登録を受けるまでの標準処理期間は2か月とされているが、当該期間には、当該申請を補正するために要する期間や事前相談に要した期間等は含まれない(※4)。
  • その他の登録に関する必要書類・費用等については、関東財務局の以下のウェブサイトを参照されたい。
    登録関係様式集(投資助言・代理業)
    登録に係るQ&A(投資助言・代理業)

※4: 関東財務局ウェブサイト『登録に係るQ&A(投資助言・代理業)

(2) 投資助言業に該当するかどうかの判断基準

①有価証券(株式等)の場合

  • 金商法2条8項11号イによれば、有価証券の価値等(有価証券の価値、有価証券関連オプションの対価の額又は有価証券指標の動向)について助言するサービスは、投資助言業登録が必要となる。
  • 「有価証券」とは、金商法2条1項各号に掲げられている有価証券、及び、金商法2条2項により有価証券とみなされる権利をいう。前者に該当する主なものには株式・新株予約権、投資信託、社債や優先出資等が挙げられ、後者に該当する主なものには信託受益権や集団投資スキーム持分(匿名組合出資持分など)が挙げられる。
  • 「有価証券の価値等」とは、大まかにいえば、特定の企業の株価の値動き予想や、特定の有価証券に投資することで将来得られる利益を意味する。
  • これに対して、有価証券の価値等を判断するにあたっての基礎資料となるような情報(景気動向、企業業績等)を提供するだけでは、直ちにはこれにあたらないとされている。

②有価証券以外の金融商品の場合

  • 金商法2条8項11号ロによれば、金融商品の価値等(金融商品の価値、オプションの対価の額又は金融指標(上場されているものに限る)の動向)の分析に基づく投資判断(投資の対象となる有価証券の種類、銘柄、数及び価格並びに売買の別、方法及び時期についての判断又は行うべきデリバティブ取引の内容及び時期についての判断)について助言するサービスは、投資助言業登録が必要となる。
  • そのため、単に円安・円高の値動き予想を配信しただけでは基本的には投資助言業にはあたらないが、特定の金融商品の売買ポイント等の投資判断を具体的にアドバイスした場合には規制対象となる。
  • 有価証券指標に関連しない外国為替証拠金取引(FX)等のデリバティブ取引については、有価証券以外の金融商品として、単にその価値やオプションの対価の額・指標の動向について助言するのみで、その分析に基づく投資判断についての助言を行っていない場合には、当該行為は投資助言業には該当しないとされている。

③有価証券以外の金融商品の場合

  • 暗号資産(仮想通貨)については、暗号資産関連デリバティブ取引を含めて、金融商品取引法の業規制の対象となるかどうかが別途問題となるため、注意が必要である。

(3) 実務上の留意点

  • 上記のとおり、言及する商品が有価証券(株式等)かそれ以外の金融商品かによって、当該商品の価値(値動きの動向や将来得られる利益)について助言するだけで投資助言業登録が必要となるのか(上記(2)①)、当該商品の価値の分析に基づく投資判断(売買の判断)まで助言する場合にのみ投資助言業登録が必要となるのか(上記(2)②)の違いがある。
  • たとえば、株式について株価の動向についてのみ言及し、投資判断に関する言及(売り買いのアドバイス等)を避けた場合であっても、投資助言業規制の対象となる。
  • また、いずれの場合にも、特定の商品について値動きの動向・将来得られる利益について助言すると解釈されるような行為については、(それを意図していないとしても)投資助言業登録が必要となる可能性が出てくることから、そのような投資関連情報の提供は避ける必要がある。
  • たとえば特定の株式の現在の価値(将来の値動き動向)を評価・判断する材料となりうるとして(過去の値動きをもって、現在時点における株価の動向を間接的に助言しているととらえられるようなケースが想定される)、やはり投資助言業登録が必要となる可能性がある。

2. 投資関連情報の提供方法について

  • 上記1において投資助言業にあたるとしても、下記の場合は例外として扱われる可能性がある(金商法2条8項11号柱書括弧書き)。

(1) 投資助言業に該当するかどうかの判断基準

  • 「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(以下「金融庁指針」という。)「VII. 監督上の評価項目と諸手続(投資助言・代理業)」VII-3-1「(2)登録の要否の判断に当たっての留意点」(※5)によれば、以下の場合には、投資助言・代理業に該当しない可能性があるとされている。

※5: 金融庁ウェブサイト『VII. 監督上の評価項目と諸手続(投資助言・代理業)

「②  投資助言・代理業に該当しない行為
イ. 不特定多数の者を対象として、不特定多数の者が随時に購入可能な方法により、有価証券の価値等又は金融商品の価値等の分析に基づく投資判断(以下「投資情報等」という。)を提供する行為
例えば、以下aからcまでに掲げる方法により、投資情報等の提供を行う者については、投資助言・代理業の登録を要しない。ただし、例えば、不特定多数の者を対象にする場合でも、インターネット等の情報通信技術を利用することにより個別・相対性の高い投資情報等を提供する場合や、会員登録等を行わないと投資情報等を購入・利用できない(単発での購入・利用を受け付けない)ような場合には登録が必要となることに十分に留意するものとする。

a. 新聞、雑誌、書籍等の販売

(注)一般の書店、売店等の店頭に陳列され、誰でも、いつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にある場合。一方で、直接業者等に申し込まないと購入できないレポート等の販売等に当たっては、登録が必要となる場合があることに留意するものとする。

b. 投資分析ツール等のコンピュータソフトウェアの販売

(注)販売店による店頭販売や、ネットワークを経由したダウンロード販売等により、誰でも、いつでも自由にコンピュータソフトウェアの投資分析アルゴリズム・その他機能等から判断して、当該ソフトウェアを購入できる状態にある場合。一方で、当該ソフトウェアの利用に当たり、販売業者等から継続的に投資情報等に係るデータ・その他サポート等の提供を受ける必要がある場合には、登録が必要となる場合があることに留意するものとする。

(以下略)」

①不特定多数の者が誰でもいつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にあること

  • 上記のとおり、金融庁指針では、「不特定多数の者を対象として、不特定多数の者が随時に購入可能な方法により、有価証券の価値等又は金融商品の価値等の分析に基づく投資判断(以下「投資情報等」という。)を提供する行為」として、「一般の書店、売店等の店頭に陳列され、誰でも、いつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にある場合」や「販売店による店頭販売や、ネットワークを経由したダウンロード販売等により、誰でも、いつでも自由にコンピュータソフトウェアの投資分析アルゴリズム・その他機能等から判断して、当該ソフトウェアを購入できる状態にある場合」は、基本的には投資助言業登録が不要となる(※6)。
  • たとえば、インターネットやセミナーを通じて投資情報を提供する場合であっても同様に、上記例外にあたると言えるためには、不特定多数の者が随時に購入可能であり、かつ、誰でも、いつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にあることが必要となる。

※6: この点については、関東財務局のウェブサイトにおいても、「会員登録等の必要がなく、いつでも自由にホームページ上にアクセスできる状態になっており、不特定多数の者が随時にその情報を入手できる状態にある場合には、投資助言業に該当しないと考えられますが、個別具体的事案毎に判断が必要となりますので、ご注意下さい。」と説明されている(関東財務局ウェブサイト『登録に係るQ&A(投資助言・代理業)』)。

②単発での購入・利用を受け付けていること

  • ただし、その場合であっても、金融庁指針では、「会員登録等を行わないと投資情報等を購入・利用できない(単発での購入・利用を受け付けない)ような場合には登録が必要となる」ものとされており、「直接業者等に申し込まないと購入できないレポート等の販売等に当たっては、登録が必要となる場合があることに留意するものとする」とされている。
  • これによれば、たとえば、売り切りでの自動売買ツール・投資ツール(典型的にはインストール型)の販売についても、購入に会員登録を要しない場合には、上記の範囲においては投資助言業登録が不要になるということになる。
  • 他方で、金融庁指針では、「当該ソフトウェアの利用に当たり、販売業者等から継続的に投資情報等に係るデータ・その他サポート等の提供を受ける必要がある場合には、登録が必要となる場合がある」とされている。

③個別性・相対性の高い投資情報を提供しないこと

  • なお、金融庁指針で明示されているとおり、「不特定多数の者を対象にする場合でも、インターネット等の情報通信技術を利用することにより個別・相対性の高い投資情報等を提供する場合・・・には登録が必要となる」とされていることから、上記①及び②の例外にあたる場合であっても登録を要するとされる場合がある。この点は、実務上見逃されやすい点であることから、特に留意すべきである。

(2) 実務上の留意点

1 概要

  • 上記のとおり、例外的に投資助言業登録を要しないというためには、少なくとも不特定多数の者が誰でもいつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にあること(上記①)、単発での購入・利用を受け付けていること(上記②)が必要となる。
  • また、金融庁指針で「直接業者等に申し込まないと購入できないレポート等の販売等に当たっては、登録が必要となる場合があることに留意するものとする」とされている。
  • そのため、これらの要件をどのようにクリアするかが問題となり、具体的には、以下を踏まえて個別の投資情報の提供サービスを構築することが必要となる。

2 メールマガジンによる配信

  • 実務上は、投資情報に関する有料メールマガジンについて、読者登録を要する場合には投資助言業登録が必要となると考えられており、また、単発契約(売り切り)ではなく月額課金方式の場合には投資助言業登録が必要となる可能性が高いと指摘されている。

3 インターネット・セミナー・オンラインサロンによる情報提供

  • 上記の考え方によれば、インターネットやセミナー・オンラインサロンを通じて投資情報を提供する場合についても、動画視聴やセミナー受講のために会員登録をする必要があり、単発での受講ができないという場合、(会員登録が必要となり)月額料金・年額料金が課されてしまう場合には、投資助言業登録が必要となる可能性が高いことになる。
  • もっとも、この点は、新聞の定期購読(会員登録と同様と考える余地もある)についてまで規制の対象とすべきではないのではないかという問題にも関わる。

4 自動売買ツールの販売・利用契約

  • 自動売買ツール(※7)の販売・利用契約についても、上記のとおり、金融庁指針によれば、「会員登録等を行わないと投資情報等を購入・利用できない」かどうか、「単発での購入・利用を受け付けない」かどうかが問題となるが、これに加えて、「直接業者等に申し込まないと購入できないレポート等の販売等に当たっては、登録が必要となる場合がある」という点がさらにハードルを上げている。
  • また、「株取引や外国為替証拠金取引(FX)等を自動で行うソフトウェアについて、会員制で販売又はレンタルする行為は、一般的には金融商品取引法上の投資助言・代理業に該当すると考えられます」との指摘がなされていることにも注意が必要である(※8)。
  • なお、上記のように金融庁指針では、「当該ソフトウェアの利用に当たり、販売業者等から継続的に投資情報等に係るデータ・その他サポート等の提供を受ける必要がある場合には、登録が必要となる場合がある」とされているが、保守メンテナンスやOSやアプリケーションのヴァージョンアップに伴う単純なアップデートまでが全て含まれるわけではないと考えられる。
  • これに対して、単に売買取引を補助するための自動ツールその他ツールの内容によっては、そもそも投資についての助言とは言えないケースもあるので、この場合には上記販売方法について問題となることがない場合があるものと考えられる。

※7:実務上、自動売買ツールとして、FX取引プラットフォームのMeta Trader4(MT4)上の自動売買のプログラムであるEA(エキスパート・アドバイザー)等が展開されている。
※8:北海道財務局ウェブサイト『自動売買ソフトの販売・レンタル業者にご注意!

3. 投資助言・代理業登録に求められる体制整備

  • 投資助言・代理業の登録については、他の金融商品取引業者と異なり、最低資本金制度や自己資本比率規制は存在しない。もっとも、金融商品取引業を的確に遂行するに足りる人的構成を有すること、及び、金融商品取引業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていること、という要件を満たす必要がある。
    ・金融庁『投資運用業等 登録手続ガイドブックVer.3.8』(令和7年3月)3(2)(56頁)
  • 行政当局による登録審査に当たっては、適切な人材が確保できているか、すなわち、有価証券や金融商品の価値等に関する知識及び経験を有する者が確保されているか、コンプライアンス担当者としての知識及び経験を有する者が確保されているか、といった点が特に問題となる。
  • また、金融商品取引業に関連する社内規程の整備状況や、適切に投資助言業務を行うことのできる組織体制になっているかといった事項についても注意深く審査される傾向にある。
  • あらかじめこれらの体制を確保・手配しておくことが望ましい。

4. 無登録で営業した場合の罰則

  • 財務局の登録を受けずに無登録で金融商品取引業をした場合、5年以下の懲役(令和7年6月1日以降であれば拘禁刑)若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとされる(金商法197条の2)。法人に対しては5億円以下の罰金が科される(金商法207条1項2号)。
  • 裁判所は、行政当局からの申立てに基づき、業務の禁止または停止を命じることができる(金商法192条1項)。
  • また、行政当局は、上記申立てを行うために必要な調査をするために、無登録営業の疑いのある事業者に対して、一定の事項について報告や帳簿書類等の提出を求め、あるいは、事業所への立入検査を行うなど、一定の処分を行うことができる(金商法187条1項各号)。
  • さらに、冒頭で述べたとおり、無登録で金融商品取引業を行っている事業者については、その名称が公表される可能性がある。
    金融庁HP「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」

以 上

(参考1)金融商品取引法

2条8項11号 当事者の一方が相手方に対して次に掲げるものに関し、口頭、文書(新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く。)その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という。)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと

イ  有価証券の価値等(有価証券の価値、有価証券関連オプション(金融商品市場において金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従い行う第二十八条第八項第三号ハに掲げる取引に係る権利、外国金融商品市場において行う取引であって同号ハに掲げる取引と類似の取引に係る権利又は金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う同項第四号ハ若しくはニに掲げる取引に係る権利をいう。)の対価の額又は有価証券指標(有価証券の価格若しくは利率その他これに準ずるものとして内閣府令で定めるもの又はこれらに基づいて算出した数値をいう。)の動向をいう。)

ロ  金融商品の価値等金融商品(第二十四項第三号の三に掲げるものにあっては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の価値、オプションの対価の額又は金融指標(同号に掲げる金融商品に係るものにあっては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の動向をいう。以下同じ。)の分析に基づく投資判断投資の対象となる有価証券の種類、銘柄、数及び価格並びに売買の別、方法及び時期についての判断又は行うべきデリバティブ取引の内容及び時期についての判断をいう。以下同じ。)

28条3項
この章において「投資助言・代理業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。

一 第二条第八項第十一号に掲げる行為
二 第二条第八項第十三号に掲げる行為

(参考2)「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(VII. 監督上の評価項目と諸手続(投資助言・代理業))VII-3-1

(2)  登録の要否の判断に当たっての留意点
登録の要否については、投資助言・代理業に係る一連の行為における当該行為の位置付けを踏まえた上で総合的に判断する必要があり、一連の行為の一部のみを取り出して、直ちに登録が不要であると判断することは適切でないことに留意するものとする。

①  登録が不要である場合
次に掲げる場合については、金商法第29条の規定にかかわらず、投資助言業を行うことができる。

イ. 金商法第61条第1項に該当する場合
外国の法令に準拠して設立された法人又は外国に住所を有する個人で外国において投資助言業を行う者が、投資運用業を行う者その他金商法施行令で定める者のみを相手方として投資助言業を行おうとする場合

ロ. 金商法第50条の2第3項に該当する場合
金商法第50条の2第3項の規定により投資助言業を行うことができる者が、定められた期間内において投資助言業を行う場合

②  投資助言・代理業に該当しない行為
イ. 不特定多数の者を対象として、不特定多数の者が随時に購入可能な方法により、有価証券の価値等又は金融商品の価値等の分析に基づく投資判断(以下「投資情報等」という。)を提供する行為

例えば、以下aからcまでに掲げる方法により、投資情報等の提供を行う者については、投資助言・代理業の登録を要しない。

ただし、例えば、不特定多数の者を対象にする場合でも、インターネット等の情報通信技術を利用することにより個別・相対性の高い投資情報等を提供する場合や、会員登録等を行わないと投資情報等を購入・利用できない(単発での購入・利用を受け付けない)ような場合には登録が必要となることに十分に留意するものとする。

a. 新聞、雑誌、書籍等の販売
(注)一般の書店、売店等の店頭に陳列され、誰でも、いつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にある場合。一方で、直接業者等に申し込まないと購入できないレポート等の販売等に当たっては、登録が必要となる場合があることに留意するものとする。

b. 投資分析ツール等のコンピュータソフトウェアの販売
(注)販売店による店頭販売や、ネットワークを経由したダウンロード販売等により、誰でも、いつでも自由にコンピュータソフトウェアの投資分析アルゴリズム・その他機能等から判断して、当該ソフトウェアを購入できる状態にある場合。一方で、当該ソフトウェアの利用に当たり、販売業者等から継続的に投資情報等に係るデータ・その他サポート等の提供を受ける必要がある場合には、登録が必要となる場合があることに留意するものとする。

c. 金融商品の価値等について助言する行為
(注)有価証券以外の金融商品について、単にその価値やオプションの対価の額、指標の動向について助言し、その分析に基づく投資判断についての助言を行っていない場合、又は報酬を支払うことを約する契約を締結していない場合には、当該行為は投資助言業には該当しない

例えば、単に今年の日本の冬の平均気温について助言するのみでは、投資助言業には該当しない。