コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コード等による日本企業のコーポレート・ガバナンスの変化に伴って、敵対的買収が再び注目されつつあります。株式持ち合い解消の流れは確実なものとなり、日本企業における安定株主はますます減少し、アクティビスト・ファンド等の活動も活発化しているのが現状です。また、買収防衛策に対する機関投資家の姿勢もますます厳しくなってきており、事前警告型の買収防衛策を導入している企業の減少傾向が継続しています。その上、主要な上場会社においては、経営陣から独立した立場にある独立社外取締役が取締役会の3分の1以上を占める企業がほとんどとなっております。このように、敵対的買収の成立を難しくしていた日本企業を取り巻く状況が変わってきており、デサント、ユニゾホールディングス及び新生銀行などの事例をはじめ、敵対的買収の成立が現実的なものとなってきているのです。実際、近年では敵対的買収がますます増加しており、有事導入型買収防衛策の導入及び発動を行った事例なども注目を集めています。
当事務所は、我が国における初めての国内大手上場企業間での敵対的買収案件である王子製紙による北越製紙に対する敵対的買収事件において、北越製紙側代理人を務めたことをはじめとして、ドン・キホーテによるオリジン東秀に対する敵対的買収事件やダヴィンチアドバイザーズによるテーオーシーに対する敵対的買収事件等において法的助言を行い、いずれも買収防衛を成功に導きました。これらの事件をはじめとして、当事務所は敵対的買収の防衛に関して圧倒的な強みを発揮してまいりました。また、当事務所では一般事業会社とは異なる投資法人(J-REIT)に対する敵対的買収の防衛等についても豊富な経験を有しています。特に既存の投資法人のうち半数近くにおいてNAV倍率が1.0以下となっており敵対的買収が生じる可能性、対応を検討しておく必要性は低くはないと考えられます。当事務所は、敵対的買収の局面において問題となるあらゆる法的課題について検討を重ねており、買収防衛の経験も踏まえた買収防衛策の設計や戦略立案等にも積極的に取り組んでおります。