時代は常に動いています。昨今その動きは常に予測を上回るスピードと振幅を伴うようになり、先行きの不透明感をますます強めております。このように激変する経営環境において、不祥事等の危機を未然に防ぎ、発生した場合は被害を極小化するための危機管理は、あらゆる規模や業種の企業にとって持続可能性(sustainability)を維持するために不可欠なものと言えます。会社法や金融商品取引法が定める内部統制システムは、危機管理を重要な要素としておりますが、これは大会社や上場企業に限った要請ではありません。

企業を取り巻く危機には、自然災害や戦争・テロ等、外部からやってくるものもありますが、近時、事業に内在する危機の顕在化、それも、業務運営における法令違反、国民の生命・身体の安全や国民の財産を脅かすような不祥事が続出しております。これらの多くは、内部告発によって発覚しています。既に施行された公益通報者保護法がこの勢いに拍車をかけるでしょう。不祥事に対する消費者やマスコミの反応は厳しさを増し、株式市場もこれに敏感に反応するようになりました。企業は、不祥事によって企業イメージやブランドを失墜させるだけではなく、対応の誤りによって負の連鎖に陥り、瞬く間に存亡の危機に追い込まれた例も少なくありません。役員は、その進退のみならず、刑事責任や莫大な損害賠償責任(消滅時効は10年)を問われることもあります。司法の判断や監督官庁の対応は厳格化し、事後規制型社会に移行したと言われております。

不祥事等の危機的状況が発生又は判明した企業は、自社のみで対応することは難しく、外部の専門家である弁護士等と連携しながら、迅速かつ適切な対応を行う必要があります。当事務所は、粉飾決算やインサイダー取引等の金融商品取引法違反、談合・カルテル等の独占禁止法違反、企業秘密の漏洩等の不正競争防止法違反、偽装表示等の景品表示法違反、違法コピー等の著作権法違反、環境関連法違反、従業員による横領行為等の刑法違反等、様々な企業不祥事への対応に関する助言やサポートを行ってきました。具体的には、不祥事への対応方針や体制整備に関する助言、社内調査の実施及び再発防止策の策定、監督官庁への対応、捜査対応、適時開示等の対外的な公表、マスコミ対応等についての助言等を行っております。一方で、平時から、企業の社会的責任(CSR)まで見据え、コンプライアンス体制の充実・強化、内部通報制度への積極的な取組み等においてクライアントを支援し、時代の変化を先取りする努力を続けております。

【連載】近時の不祥事ケースと危機管理・リスク予防
・第16回 スポーツ団体の不祥事事案から考える、行き過ぎた指導とパワハラの実務対応のポイント(2021.3.16)
・第15回 偽装請負の不正事案(建設業、システムエンジニアリング等)から考える、問題点と不正防止のポイント(2020.6.9)
・第14回 偽装請負の不正類型パターンと関連規制・罰則等のポイント(建設業、システムエンジニアリング等) (2020.6.3)
・第13回 不祥事予防に向けた取組事例集及びグループ・ガバナンス・システムに関する実務指針を踏まえた子会社買収後に留意すべきポイント(2020.1.22)
・第12回 海外子会社で発生した不祥事事案における不正発覚後の対応・再発防止策策定のポイント(2020.1.21)
・第11回 建築基準法違反の設計・施工事案から考える、不正発覚後の対応・再発防止策策定のポイント(2019.11.21)
・第10回 建築基準法違反の設計・施工事案から考える、不正の早期発見と調査等のポイント(2019.11.13)
・第9回 スポーツ界の不祥事事案から考える、スポーツ団体ガバナンスコードへの実務対応(2019.10.1)
・第8回 SNSによる不祥事を起こした従業員・役員への対応と予防のポイント(2019.8.9)
・第7回 SNSによる不祥事事案から考える、不正発覚後の対応(初動対応・広報対応)のポイント(2019.8.2)
・第6回 免震・制震製品のデータ偽装事案から考える、不正発覚後の対応・再発防止策策定のポイント(2019.7.1)
・第5回 免震・制震製品のデータ偽装事案から考える、不正の早期発見と調査等のポイント(2019.6.26)
・第4回 土壌汚染に関連する不祥事事案から考える、不正発覚後の対応・再発防止策策定のポイント(2019.4.26)
・第3回 土壌汚染に関連する不祥事事案から考える、不正の早期発見と調査のポイント(2019.4.24)
・第2回 産業廃棄物の不法投棄事案から考える、不正発覚後の対応・再発防止策策定のポイント(2019.3.1)
・第1回 産業廃棄物の不法投棄事案から考える、不正の早期発見と調査のポイント(2019.2.22)


ENGLISH SITE